育児>我が子への虐待をなくすためには

十年ほど前のデータですが、
1996年の４月から９月までに
全国の児童相談所から報告のあった児童虐待を
加害者別に分類すると、
最も多いのは「実母（50.8％）」、
二番目が「実父（28.5％）」であったそうです。
我々の想像以上に、
「実の母親による子供への虐待」というケースが多いことに
驚かされます。

核家族化が進み、ご近所付き合いも薄れてきた昨今、
育児という仕事の環境はとても閉鎖的です。
昔は家族の中ではおじいちゃんやおばあちゃんが、
ちょっと家を出れば近所のおじちゃんおばちゃんが、
子供の相手をしてくれたり、
子育てについての親の相談に乗ってくれたりしました。
ところが今では、子育てに携わる人の手が少なく、
周囲に悩みを打ち明けられる親しい相手も少なく、
専ら母親が育児の苦労を一身に背負っている。
そんな家庭が数多く存在しています。
誰にも相談できず、誰からも助けてもらえず、
我慢に我慢を重ねて悶々とストレスを溜め込んだ末に
そのはけ口が我が子に向いてしまうのだとすれば、
これ以上に悲しいことはありません。

育児に悩み、人知れず苦しい思いをしているお母さんが
世の中にはたくさんいます。
現代という時代こそ、我々男性がもっと家庭を振り返り、
夫として妻を支え、また父親として子供に向き合うことが
求められているのではないでしょうか。